pͪoͣnͬpͣoͥnͭpͣa͡inͥとの出会い
筆者が日課のようにまとめサイトアプリを見ていると、理解し難い謎の文字列の記事タイトルを見つけました。

なんぞコレ!!!
筆者の好奇心を鷲掴みされた瞬間でした。笑
ponponpainの由来
お腹が痛い時のどうしようもない思いをぶつけるハッシュタグとの事です。
「ぽんぽん」は幼児言葉で腹部、「Pain」は英語で痛みを意味する単語でその2つを組み合わせています。
この2つの単語の組み合わせが非常にシュールかつマッチしていて心にグッときますね。笑
コチラのページによると、2010(平成22)年6月25日にえぽっくさんという方が、
お腹が痛いのは、神様がわたしたちのことをあんまり信用してないからです。 #ponponpain
— えぽっく (@epoch__) 2010年6月25日
と、Twitter上で発言した事で爆誕したらしいです。発案者曰く、5秒くらいで考えたものらしいですね。
驚異的ワードセンスに脱帽。
ダイアクリティカルマークとの融合
もちろん、ponponpainだけでもかなりのパワーワードですが、ダイアクリティカルマークというものと組み合わさる事で更にワンランク上のパワーワードへと進化を遂げました。
pͪoͣnͬpͣoͥnͭpͣa͡inͥ
ルビ部分の「haraita-i」がじわじわきますね。笑
もやは、どこかの会社のロゴにも見えてきます。
ダイアクリティカルマークは以下の文字が使用出来ます。
| ̀ | ́ | ̂ | ̃ | ̄ | ̅ | ̆ | ̇ | ̈ | ̉ | ̊ | ̋ | ̌ | ̍ | ̎ | ̏ |
| ̐ | ̑ | ̒ | ̓ | ̔ | ̕ | ̖ | ̗ | ̘ | ̙ | ̚ | ̛ | ̜ | ̝ | ̞ | ̟ |
| ̠ | ̡ | ̢ | ̣ | ̤ | ̥ | ̦ | ̧ | ̨ | ̩ | ̪ | ̫ | ̬ | ̭ | ̮ | ̯ |
| ̰ | ̱ | ̲ | ̳ | ̴ | ̵ | ̶ | ̷ | ̸ | ̹ | ̺ | ̻ | ̼ | ̽ | ̾ | ̿ |
| ̀ | ́ | ͂ | ̓ | ̈́ | ͅ | ͆ | ͇ | ͈ | ͉ | ͊ | ͋ | ͌ | ͍ | ͎ | ͏ |
| ͐ | ͑ | ͒ | ͓ | ͔ | ͕ | ͖ | ͗ | ͘ | ͙ | ͚ | ͛ | ͜ | ͝ | ͞ | ͟ |
| ͠ | ͡ | ͢ | ͣ | ͤ | ͥ | ͦ | ͧ | ͨ | ͩ | ͪ | ͫ | ͬ | ͭ | ͮ | ͯ |
上記を組み合わせれば、pͪoͣnͬpͣoͥnͭpͣa͡inͥを超える奇跡のワードを作り出す事が可能です!
この文字列がどうやってできているのか
せっかくなので、この文字列がどうやってできているのかも見ていきます。
正体は「前の文字にくっつく文字」
ダイアクリティカルマークの正体は、Unicode の結合文字(combining character)です。それ自体は場所を取らず、直前の文字に重なって表示されるという性質を持っています。
面白いのは、ルビに見えている haraitai の部分です。あれはフォントの機能でも上付き文字でもなく、「上に乗る小さな a」「上に乗る小さな h」という文字が1つずつ用意されているのです。
| ルビの見た目 | コードポイント | Unicode での名前 |
|---|---|---|
| ᵃ | U+0363 | COMBINING LATIN SMALL LETTER A |
| ᵉ | U+0364 | COMBINING LATIN SMALL LETTER E |
| ⁱ | U+0365 | COMBINING LATIN SMALL LETTER I |
| ᵒ | U+0366 | COMBINING LATIN SMALL LETTER O |
| ᵘ | U+0367 | COMBINING LATIN SMALL LETTER U |
| ᵈ | U+0369 | COMBINING LATIN SMALL LETTER D |
| ʰ | U+036A | COMBINING LATIN SMALL LETTER H |
| ʳ | U+036C | COMBINING LATIN SMALL LETTER R |
| ᵗ | U+036D | COMBINING LATIN SMALL LETTER T |
| ᵛ | U+036E | COMBINING LATIN SMALL LETTER V |
| ˣ | U+036F | COMBINING LATIN SMALL LETTER X |
もともとは古い文献を活字にするための文字です。中世の写本では、単語を短く書くときに文字の上に小さな文字を乗せる書き方が使われていました。それを再現するために用意された文字が、まわりまわって腹痛のパワーワードを支えています。
1文字ずつ分解するとこうなっている
﴾pͪoͣnͬpͣoͥnͭpͣa͡inͥ﴿ は、全部で21文字でできています。
| 順 | 文字 | 中身 |
|---|---|---|
| 1 | ﴾ | U+FD3E ORNATE LEFT PARENTHESIS(アラビア文字の飾り括弧) |
| 2〜3 | pͪ | p + U+036A(上に乗る h) |
| 4〜5 | oͣ | o + U+0363(上に乗る a) |
| 6〜7 | nͬ | n + U+036C(上に乗る r) |
| 8〜9 | pͣ | p + U+0363(上に乗る a) |
| 10〜11 | oͥ | o + U+0365(上に乗る i) |
| 12〜13 | nͭ | n + U+036D(上に乗る t) |
| 14〜15 | pͣ | p + U+0363(上に乗る a) |
| 16〜17 | a͡ | a + U+0361 COMBINING DOUBLE INVERTED BREVE(2文字にまたがる弧) |
| 18〜20 | inͥ | i + n + U+0365(上に乗る i) |
| 21 | ﴿ | U+FD3F ORNATE RIGHT PARENTHESIS |
上に乗っている文字だけを拾うと h・a・r・a・i・t・a・i。ちゃんと「はらいたい」になっています。しかも 16〜17 の弧(U+0361)は2文字にまたがって描かれる専用の文字で、ai をつなぐためだけに使われています。作った人、ちゃんと分かってやっていますね。
自分で作る手順
作り方はシンプルです。普通の文字を打って、その直後に乗せたい結合文字を貼る。それだけで勝手に重なります。
h + U+036A → hͪ
腹 + U+0301 → 腹́
a + U+0308 + U+0323 + U+0330 → ä̠̃(いくつでも重ねられる)いくつでも重ねられるので、重ねすぎると上下の行にはみ出します。ネットでたまに見かける、文字がぐちゃぐちゃに崩れた投稿(いわゆる Zalgo 文字)はこれを大量に積んだものです。
使うときの注意点
- 文字数を食う:見た目は10文字ぶんでも、実際は21文字です。文字数制限のある投稿では想像より早く上限に届きます
- 検索でヒットしない:
pͪoͣnͬ…は普通のponponpainとは別の文字列なので、検索しても引っかかりません - 読み上げが崩れる:スクリーンリーダーでは意図しない読まれ方をします
- 貼り付け先で消えることがある:結合文字を落としてしまうアプリでは、ルビだけ消えて
ponponpainになります
終わりに
上記の文字は基本的には問題なく表示されると思いますが、一部のスマートフォンやPCでは表示出来ない場合もあります。
ただ、今の機種ではだいたい表示出来ると思いますので、どんどん利用しましょう!
仕組みが分かってしまうと、**ただの悪ふざけが「中世の写本のための文字を流用した技」**に見えてくるので不思議です。
文字ネタシリーズ
同じように「なにこれ?」な文字を集めた記事です。
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